村上 龍著
45歳を過ぎたら、読んでおくべき小説本。
この歳以降で読むとリアリティーが違う。
晩年に差し掛かかった人間の、生きることの悲しさ、
人生の残酷さ、その現実を、心の奥に差し込まれるように感じた。
5編の中編小説からなり、
誰しもに訪れるであろう、人生の下り坂を、
主人公に、読者に、突き付けていく。
人生に対する甘い夢を、ばっさり切り捨てる、
怖い内容である。
個人的には、自分の存在が、社会の中で価値が無くなっていくことを
覚悟し、どう生きていくかを考えさせられた。